楽器の製造時の欠点の考察


このペー ジはどちらかというと修理や製作に携わる人を対象にしているので専門用語が多いです。

だんだん と説明を書き加えていきたいと思います。

  このページの意図は、製造・修理に関わる時にどこまで仕上げたら良いのかの指標にし たいのです。

→→→→→→100点の物を作る事は困難があって、現実的にはそれぞれの作業者又は設計 者が
         決めた規格で作業されたものが製品になっています。
→→→→→→なので、売っている物は完全でないということを主張したいのではありません。


楽器の製造上の欠点が何をひき起こすか考える


次のような物がある  列挙してみる

テーパー管(ベルとそれに続くシュトースボーゲン・マウスパイプ)

真っ直ぐの状態で 絞ったものを鉛などの詰め物をして曲げる事によって起こる事がよくある事です

»»»»ベルの工程の写真を参考 にしてください»»»»

!!曲 げ写真の中に曲げたカーブの内側にしわの山が出ているのがあるのをご覧下さい。!!
詰め物をして曲げる時に曲げカーブの外側は引き伸ばされ内側は縮む力が働くので詰め物の何であるかに
関わらずに、しわは発生します。


.1 位の括れ        括れというのは曲げた時のしわの部分でテーパーのつながりの痩せている部分です

0.05位 の括れ

.5の 段差

0.3の 逆段差

曲げによる断面ヤセ    曲げる事で必ず断面積は減少します

歪みによる断面ヤセ

曲げによる外側の多面体状のボコボコ

曲げによる部分的な厚みの引き延ばし

曲げによる内側表面の荒れ(ザラザラ)

歪み

設計線ラインが間違っている  フレアのラインが間違っていると困難が多い

絞りのつなぎそこない

鉛の膨張         鉛を使っている時だけですが、中の鉛が順番に溶けるように出 来なかった時に部分的に膨らみます

鉛の粒が残っている  鉛は金属なので内面に張り付く事があります。内面に砥粉を塗って 作業しますが剥がれるので。

油圧の掛け過ぎ、不足   最近の楽器は曲げて詰め物を出した後ベルなどを型に入れて中 から圧力をかけて整形します

油圧型が寸法間違い

磨き過ぎて薄くした

部分的にヤスリを掛け過ぎた

肉厚のバランスが悪い

ロウメの厚みが内面に出ている

ロウが中まで回っていない

皺の厚みが内面に出ている

バリが残っている

メカニック部

バルブやスライドの部品の事です。設計上の問題や加工上の都合で起こってしまう事を 上げています

ロータリーやピストンの断面積の変化

バルブの通路の断面積が好ましくない

作りが悪くて、バルブの開閉が正しくない

曲げRの 影響

スライド管のチューニング段差

銀ロウ付けによる断面収縮

ハンダ付けによる断面収縮

玉のサイズを間違えた

ロウが中まで回っていない

ハンダ付けが不完全で息がもれる

組立に関わる所

部品をハンダ付けで組み立てる際に起こりうる事をあげています

管のつなぎ部が、ツビンゲの中でずれている

管の末端を、組立て時に細ませている

管の末端のカット後の処置をしていない

バリが残っている

ボアサイズの違う部品をつけている

ハンダが管の内面に流れている

組立て時に引っ張り込んでハンダ付けした

ハンダ付けの温度膨張による残留応力が多い

ハンダ付部かぶせる方の管で細ませてハンダ付した

スライドの抜き差しに支障が有るほど平行が狂っている

スライド管の隙間が多すぎて、息がもれる

バルブとケーシングの隙間が多くて、息がもれる

支柱を突っ張った状態でハンダ付けした

最終段階の問題

全ての部品が出来上がって、それらを組み立てる時に起こりうる問題です

バルブの開閉の刻みが正しくない

キーメカにカチャカチャ音が多く発生する

バルブの作りが悪くて、動作がスムーズでない

指掛けの位置が使う人にとって使いにくい位置についている

洗浄が不完全で金属カスや研摩材などが残っている

部品を付け間違えた

設計の問題

設計段階で充分に吟味されていないことがある場合です

親指キーの押す位置が好ましくない

持った構えが不自然になる

支柱の位置が吟味されていない

壊れ易い所が有る


?製品・部品の長所はあるのだろうか?

欠点の裏返しが、製品として良いための条件にはならない

→これが話を難しくしている


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